高尾山 オンライン自然観察
冬 Winter
静かな高尾山、良いです。おすすめは雨の日。それから寒い冬。
多少の悪天候でも登山者はいて、そんな時でもわざわざ来るなんて、山好きな人って変わっているなと思われるかもしれません(否定はしません笑)が、実はお目当てがあるんです。
冬になると、澄んだ空気が遠くまで見せてくれます。富士山は冬になると存在感を増し、晴れた日の霞台からはスカイツリーや江ノ島、海まで見えます。天気予報を見て、気温が氷点下になる日を心待ちにしているのは、シモバシラの氷花を見る人たち。上を見て笑っている人は冬鳥を見ているのかも。かがんで木の実や綿毛を拾う子供たち(大人も)。早起きのスミレやネコノメソウの生育状況を見て春を想うツウな人たち。それから、高尾山で越冬するアサギマダラの幼虫を静かに見守り応援する私たち :)
特集
冬を越す
蝶の幼虫たち


January 26
高尾山から望む
富士山の雪煙
雲ではなく、強風で舞い上がった雪とのこと。この日富士山の山頂は荒れ狂うようなお天気だったのでしょう。一方こちらの高尾山山頂は風もなく快晴でした。300mmの望遠レンズで撮影しました。
December 18
江ノ島と相模湾、船
これも300mm望遠レンズで撮影しました。霞台の展望台からの眺めです。いつも気になるのは、江ノ島からも高尾山が見えるのかどうか。いつかあちらからのショットを試してみたいです。そのためには冬に江ノ島へ行かなければなりませんが(笑)。


January 26
シモバシラの氷花
秋に咲く白い花、シモバシラという名前の植物の枯れ枝が作る氷の花です。地上部の茎は枯れていますが、土中の根は生きて水を吸い上げており、気温が氷点下になるとその水分が氷になってこの繊細な造形物を作ります。陽にあたるとあっという間に溶けて消えてしまう儚さもまた美しく感じ、寒さも忘れて見入ってしまいます。いつでも見られるわけではなく、かなりシビアに天候状況に左右されるため、冬のラッキーアイテムとなっています。
January 26
カラスザンショウと
ヤマガラ
地味な組み合わせですが… カラスザンショウは蝶も好きな木で、アゲハたち(アゲハ、クロアゲハ、オナガアゲハ、モンキアゲハ、カラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハ)の食草です。高尾山には至るところに生えています。真夏に咲いた花にはアオスジアゲハがたくさん来ていました。サンショウという名がつく通り、この実にも山椒のような強い香りがありますが、アルカロイドを含むため人間は食べられません。


January 26
カラスザンショウの実
冬になると登山道に落ちています。上の写真のようにぶら下がった鳥の重みで落ちるのでしょう。見つけたら拾って殻をつぶしてみてください。とーっても良い香りがします(山椒が苦手な人はごめんなさい)。アルカロイドが含まれているので食べられません。人間の役に立たない植物には「カラス」「イヌ」「ウマ」などの名前が付けられています。