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「このへんで、にがしておくか…」8月の生物部ご報告

更新日:8月23日


こんにちは! 今日は先週末の8/20(日)に開催した8月の部活動のご報告です!

と、その前に、気になるのが、こちらですよね↓↓↓


BE-PAL9月号の反響は…?


8月9日発売のBE-PAL9月号「アウトドア️ソロ活」特集は、もうご覧いただけましたでしょうか?

あの超有名なアウトドア雑誌、BE-PALさんに、「高尾山 大人の生物部」を取り上げていただくという大幸運に恵まれた私たち(詳細はこちら)!


みんなで「これから生物部はどうなってしまうんだろう」、、とドキドキしていました。


ええ、もちろん、単純に8月の部活動に全国からお申し込みが殺到すると思っていたのです。


そしてホームページのアクセス数は300%UPして、お問い合わせもたくさんいただいたのですが、


蓋を開けてみると、開催が危ぶまれるほどのお申し込みの少なさ。そしてキャンセルも…。

正直なところ、こんなに思惑が外れるとは思っていなくて、私は超びっくりしました😭


しかしよく考えたら、今年の夏の命の危険を感じるほどの酷暑と、本当に命に関わる危険のあるスズメバチ、その注意喚起をものともしないような方は、かなりの少数派なのかもしれないと思い至りました(そう、実は私、自分が少数派かもしれないという認識がなかったんです笑 それと、暑さにも彼らスズメバチたちの存在にも慣れてしまって💦)。


普通は「夏はやめとこ〜」となりますよね〜。さらに加えて、長野とかの涼しい山ではなく、「高尾山に行きたい」と思うような方は、たぶんすでに高尾山マニアです笑 たぶんガイドはいらない…。


というわけで、せっかく取り上げてくださったBE-PALさん、ごめんなさい🙏 こんなにすばらしいチャンスをものにすることができなかった私の運営能力よ〜😆


と、開催危ぶまれつつも、無事に開催できました!


しかしです!! そんな中、「暑くてもハチがいても、虫が見たいっ」という、とっても素敵なお二人のお客様がいらっしゃってくださいました! ありがとうございましたっ!!


生き物が大好きな3人で部活動しました!


というわけで、小学2年生の男の子とそのおばあさまのお二人を無事にご案内してきました。


主役のお名前は、「こうたろうくん」です。彼は昆虫が大好きで、今はカブトムシとクワガタに夢中。ご近所の公園などでご家族と一緒に観察したり採集もして、ご自宅でクワちゃんをオスばかり5匹飼っているそうです。あとは昆虫系のYouTubeを見たりもするとのことで、すごく詳しい!


どのぐらい詳しいかというと、パッと見てコナラの木がわかるくらいです!


樹木の種類を見分けることができる人なんて、大人でもそうそういませんからね。


ちなみにおばあさまの方も、大変な博識で、生き物が大好きな方❤️

そんな3人で歩いた高尾山は、暑さを忘れるほど盛り上がり、すごく楽しかったです😀


コナラの木は虫たちに大人気


さて、こうたろうくんもよく知る、クワガタやカブトムシが好きなコナラの木は、高尾山にもたくさん生えています。が、昨今のナラ枯れ病で、枯れた木が急増しています。ナラ枯れ病の原因、カシノナガキクイムシもコナラが大好きなのですね〜。


高尾山山頂は、ナラ枯れ病になった木々が樹液をドクドクと流していて、いわゆる「カブトムシの匂い」が漂っています。そして、樹液には各種のスズメバチや甲虫などが集まって飛び交っています。


その木のすぐそばで敷物を広げ、余裕でお弁当を食べていらっしゃる方もあり、ちょっと驚きました。でも、ハチたちはおいしい樹液に夢中で、山頂でハチに刺されることはないようです(危ないのは、狭い登山道の近くに巣ができた時)。そんな様子は私たち大人にとっては、興味深い観察対象ではあります。


心配していたのはお子様です。しかし、こうたろうくんは小学校2年生という若さながら、ハチが近くに来た時の対応方法(静かにする、手で払わない)まで知っていて、堂々と落ち着いているのです。私は感嘆してしまいました。


そしてさすがの観察眼で、道端を歩いていたクワちゃんも発見!

小さな観察ケースに枯葉と一緒に入れました。


それから、ちょうどシーズンになった、ハイイロチョッキリが産卵して落とした、どんぐりがついたコナラの枝も、拾ってケースに。


明治高尾の森国定公園のルール


高尾山では、「動植物や鉱物を採集しないでください」という「国定公園利用ルール(画像)」があります。しかし禁止という拘束力はなく、網を持った大きな少年少女たちもたまに見かけます。


こうたろうくんは小学校2年生。もう少し大きくなったお子さんだったら、虫を持って帰るのはかわいそうだよと諭しますが、このくらいの幼い時に昆虫と仲良く触れ合う経験を持つことは大切です。それで、ご家族と本人に軽くお伝えして、あとは彼が「持って帰りたい」と言ったら、それは止めないようにしようと思っていました。



スジクワガタのメス


山頂のビジターセンターで、見つけたクワガタの種類を見てもらいました。

「羽がツルツルだったらコクワガタだけど、この子はスジがあるからスジクワガタで、顎が短いからメスですね」とのこと。


「こうたろうくん、この子はメスなんだって」と知らせると、「そうか、うちの5匹はみんなオスだから、1匹だけメスだとかわいそうかな」とつぶやいています。


「それから、この子は越冬してこれから何年も長生きするんですって」と付け足しておく私。


たくさんの生き物に会えた1日の終わりに

スジクワガタの他にも、ジャコウアゲハに始まって、ツチアケビの赤い実大きなアリの巣、ムネアカオオアリ、オニヤンマアカボシゴマダラの幼虫、ダイミョウセセリ幼虫の巣、ウラギンシジミの卵(幼虫は見つけられなかった)、カミキリムシ、マイマイカブリ、きれいなカナブン、カメムシ、ニホントカゲの幼体(こうたろうくんはニジイロトカゲと呼んでいた☺️)、かわいい蛾などに会えました。大きなモンキアゲハが私たちの周りを飛んだときは、とても感動的でした。そうそう、それから赤いヘビにも会いました! ジムグリという名前の通り、地中で暮らすため、なかなか見ることがない珍しいヘビだそうです。ラッキーでした🐍


そんな盛りだくさんだった観察会を終えた帰り道、ふと、こうたろうくんが、「じゃあ」と立ち止まりました。


「このへんで逃がしておくか…、ここはちょうどいい雑木林だし」とつぶやき、クワちゃんとカミキリムシが入ったケースを開けました。

そして、クワガタを手に取り、とても愛おしそうに少し眺めてから(最初の写真です)、「バイバイ」と放しました。それからカミキリムシも。


小学校2年生なのに、自分で考えて行動する様子に、私はジーンとしてしまいました。

ちゃんと、山に戻さないといけないということ、言われるまでもなく、わかってたんですね。


でも、「このコナラのどんぐりがついた枝は記念に持って帰る」とケースに収めました。


うんうん、しばらくしたら、ハイイロチョッキリが出てくるそうだよ。楽しみにしていてね。そして、高尾山、楽しかったなと思い出して、また遊びに来てね。


小学2年生の小さな体と体力には、少しハードな山歩きだったようでしたが、大好きなおばあさまと一緒にいろいろな生き物が自然の中で暮らしているのを目の当たりにして、素敵な思い出の1日になったことと思います。


帰りにはお神輿を見て、高尾駅の珍しい電車もチェックしてから帰るとのことで、そこで私は別れました。私もお二人と夏の高尾山をご一緒できて、とても楽しかったです。


またいつか高尾山で会いましょう。


素敵な部活動でした。ありがとうございました!



アカボシゴマダラは、在来の生態系を脅かす「特定外来生物」に指定されていて、幼虫や成虫を見つけても、許可なく運搬することは禁止されています。絶対に触ったりせず、ただ数奇な運命となった命を「かわいいね」と愛でてあげましょう(蝶が好きなマニアによる「放蝶ゲリラ」で、中国種が日本で繁殖してしまったものです。オオムラサキやゴマダラチョウと同じエノキを食樹としているため、影響が心配されています)

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