「カタツムリの足あとが点線だー」10月2回目の生物部ご報告

みなさんこんにちは。
高尾山 みんなの生物部主宰のアサギ マユです。
10/29(日)に、今月2回目の生物部を開催してきました。
朝起きたら雨が降っていてびっくりしましたが、出かける頃にはやんで、青空になりました。
今回は、小学校1年生のしょうまくんとお母様、そしてリピート3回目!のKiyomiさん(いつもありがとうございます!)の3名様をお迎えしました。
朝、雨が降っていたので、しょうまくんは「中止?!」と泣きそうになっていたんですよとお母様にお聞きして、「そんなに楽しみにしてくれていたんだ!!」と嬉しかったです。
カブトムシの幼虫を飼っていて、腐葉土が少なくなってきたので、買い足さないといけないんだという話などを聞きながら、山道を歩きます。
子供たちの博識ぶりには驚かされてばかりですが、しょうまくんも小学校1年生という若さで「コナラの木とスギの木の違い」がわかる昆虫博士。看板の漢字もすいすい読めてしまう天才児です。「高尾山の山頂はスズメバチがいるんだけど、スズメバチが近づいてきたらどうしたらいいか知ってる?」と聞いてみると、「ひゃー黒いパンツはいてきちゃった〜」と、ハチが黒いものに寄ってくる習性をよく知っていて、さらに「じっとする、しゃがむ、ゆっくり下がる」と対処方法を教えてくれました。すごいです!
余談ですが、生物部に来てくださる方はもちろんのこと、フィールドで虫を見ていて出会う虫好きさんも博識で繊細な感性をお持ちの方が多いなーといつも思います。そんな人たちと一緒に山歩きをすると、立ち止まるタイミングや観察する集中力、そして虫への愛情に「共感しかない!」という感じなので、とても楽しいです。
朝の雨のおかげか、ミスジマイマイ(樹上性のカタツムリ)が木の上を元気に移動していたのを見つけて、みんなで囲んで観察しました。上の写真をご覧ください。足あとが点線になっているのがおわかりでしょうか? 「見て、尻尾を上げたり下げたりしているよ」と言うと、しょうまくんは「え〜じゃあ、これおしっこ?」☺️ さらによく見ると、木が濡れるのは尻尾ではなくお腹あたりからのようです。
今インターネットで調べると、カタツムリの足あとの水分はカタツムリの大切な「粘液」で、体の一部を浮かせながら歩いているためとのこと。その目的は研究者の方たちでも諸説あるとのことです(参考)。

さて、高尾山はそろそろ紅葉シーズンで、木々がどんどん色づき始めています。前日の下見では、アサギマダラが飛んでいたのですが、当日の午前中はやはり雨上がりで気温が低かったためか、出てきてくれませんでした。でも、幼虫を見つけることができました。しかも下見でチェックした時にはいないと思った葉っぱです。産卵後すぐに孵化することってあるのかなぁ。卵を見落としていた可能性もありますが、とにかく、生まれたての1齢幼虫たちがいました。丸く噛み跡をつけて元気です。「100個の卵から羽化できるのは1匹か2匹で、あとの98〜99匹は他の生き物の食べ物になったり死んだりするんだよね。この子たちもこれから春まで冬越しをするけれど、生き残れるかどうかわからない」。そんな自然の掟を前に、感慨深く観察しました。

それから、春からずっと楽しませてくれている、ヤマノイモやオニドコロの葉っぱに住むダイミョウセセリ幼虫たちも、今クライマックスを迎えています。葉っぱの巣の隙間から見ると大きな幼虫の影。この子達は、これから越冬です。葉っぱは枯れて落ちますが、そのままじっと春を待ち、4月頃に蛹になるとのこと。登山道のすぐそばにいますので、冬もなるべく登山道を踏み出さないようにしたいですね。
他にもいろいろな生き物を観察して、高尾山の地層や歴史、見える景色を楽しみました。今回も盛りだくさんで、楽しい1日を過ごしました。
ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました!
また高尾山でお会いしましょう〜!
左上から
江ノ島が見えました
カンアオイの花
ツチアケビの実
タカオヒゴタイ
ナキリスゲのカンスゲワタムシ
サラシナショウマの花
樹液を吸うアカタテハ
富士山
前日のアサギマダラとコウヤボウキの花